あいけあトップページ[全国] > 有料老人ホームの基礎知識 > 有料老人ホーム選びの失敗事例 > 場所は近くて便利だったけど・・・。
場所は近くて便利だったけど・・・。
都内在住Aさんのお父様は現在有料老人ホームに入居しています。
そのホームを探したのはAさんで、自宅に近い、パンフレットの内容が安心できるものだった、映画の舞台にもなったホームなので信頼できるだろう(*1)、という3つの理由で即入居を決め入居一時金3060万円を支払いました。
お父様が入居されて半年が経ったある日、Aさんが面会に行くとロビーに貼り紙がありました。
内容は「1週間に3日の居室清掃が2週間に1日になりました。」(*2)というものでした。
お父様の居室に行ってみるとしばらく清掃がされてない様子で、隅に埃がうっすらと溜まっており、洗面台には歯磨き粉が固まって白くなっていました。不衛生です。
そしてしばらく経ったある日、入浴が1週間に3日だったものが1週間に2日に変更になっていました。 (*3)明らかに介護スタッフの人手不足です。
お父様は普段ちゃんとした介護を受けているのだろうか、というAさんの不安は募ります。
そういえば面会に行ったときに介護スタッフにも職員にも会うことがほとんどありません。たまに廊下で会う介護スタッフは若くて元気がある人はほとんどいません。
Aさんがよく観察していると介護スタッフがエレベーターを使用しているところを見たことがありません。
7F建てのホームなのですが7Fでナースコールが鳴っても介護スタッフは階段を上り下りして対応しています。(*4)
ある日月額利用料の請求書と共に約5万円の健康食品の請求書が届きました。ホームに問い合わせたところ、お父様は偏食が多いので栄養が偏らないように健康食品で補っていただこうと思い購入しました、とのことです。
しかしお父様に確認したところ健康食品は食べてないし、見たこともないとのこと。ホームに対しての不信感でいっぱいになったAさんが健康食品に会社に問合せをして調べたら、健康食品を購入したことにより、ホームはその会社からバックマージンをもらっていたのでした。(*5)
契約書に記入されているサービス内容は変更になる、介護スタッフ不足でちゃんとした介護も受けられない、ホームの利益の為に家族に相談もなく不必要なものを購入する。
明らかに赤字経営をしています。そんなホームに今後お父様が入居していても何が起こるかわかりません。 Aさんは次に入居するホームを探すために動き始めました。
相談員コメント
(*1)場所や金額など条件は重要ですがその他に入居者に合うホームか、という相性や経営状況も重要なポイントです。パンフレットはどこのホームもいい事だけ記載しておりますし、居室の写真もモデルルームを広く見える角度から撮った場合が多いです。条件やパンフレットだけで入居を決めないでください。映画の舞台になっても安心材料とは全く関係ありません。
(*2)契約書に記入してあるサービスが出来なくなってしまう原因は介護スタッフなどの人材不足が多いです。赤字経営しているホームではスタッフ、職員のリストラや給料削減が行われている場合があります。
(*3)通常ホームでは介護度が出ている入居者に必要なものを購入する場合は、ご家族の了解を得て購入しますが、ホームからの請求書が契約時に聞いていた金額よりも高いということはよくあります。入居前に、入居一時金や月額利用料以外にかかる金額は必ず確認が必要です。
(*4)エレベーターを使用禁止にすることで、光熱費を節約しようとしています。緊急時にも階段を昇り降りしながら対応しなければいけないホームに優秀な介護スタッフは集まってきません。
<< | >>