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条件は介護度の違う父と母が入居できること
Sさんはご両親の入居する有料老人ホームを探していました。お父様が要介護度2、歩行困難で生活全般に介助が必要です。お母様は介護認定申請中ですが、自立して生活しています。
身体状況が全く違うご夫婦が二人で入居されるホームを探すのは結構大変です。例えば2人で夫婦用居室に入居した場合、深夜に要介護度が高い方がナースコールを押して介護スタッフを呼ぶような状況が頻繁に続くようなことがあれば、もうお一人のお元気な方が眠ることができなくなり、それが身体状況の低下につながる可能性もあります。また、身体状況の違うご夫婦が同室の場合、結局お元気な方が介護をしてしまい、自宅にいるのとあまり変わらない環境になってしまうことも考えられます。
なので、夫婦別室での入居も選択肢に入れながらホーム探しを始めました。
Sさんは3ヶ所のホームを見学しました。
まず1ヶ所目は自宅に近いホームです。全36室のこじんまりとしたアットホームな雰囲気のホームです。ここの特徴は入居者個人にあった対応をしてくれることです。通常ホームではどんな方でも居室への刃物の持ち込みは禁止なのですが、このホームは自立に近く、精神的にもしっかりしている入居者であれば、居室で果物ナイフを使って果物の皮を剥いたりすることも可能です。お母様はミシンを使っての洋裁が趣味なので、ホーム入居後の楽しみも広がりそうです。
2ヶ所目のホームは、自宅から電車を乗り継いで約1時間ほどのホームです。建物全体が明るい雰囲気で、居室も広く日当たりが良い気持ちのいいホームです。介護の実績もあり安心してご夫婦二人で生活ができそうです。しかし、怪我をする可能性がある物は持ち込み禁止のためお母様の趣味のミシンをつかった洋裁はできそうもありません。
3ヶ所目は、自宅から40分くらいの立地のホームです。このホームは重介護の入居者が多く、入居者全員が同じフロアで食事を取るので、あまりにも身体状況が違う方々と毎日接していくことを考えると、環境的に合いそうもありません。
Sさんは今だけでなく、1年後、5年後のご両親を想像しながらどのホームを選べばいいのか悩みました。その結果、個人の自由を尊重してくれる一番最初に見学したホームにまずお母様が体験入居して、快適に生活ができそうであればご両親2人とも入居することにしました。
1週間の体験入居をしてみて、そのホームの良さが確認できました。施設長が26年間介護業界に関わっており、万人に合う介護はないとよく分かっているので、入居者1人1人に合った対応をしてくださいます。
入居者が自宅にいるときと同じように生活ができ、万が一の緊急時には即対応してくれることが、今回の入居の決め手になりました。
<相談員より>
今回は身体状況が違うご両親の入居の場合でしたが、お元気なお母様の暮らしを守ることに比重を置いたということがポイントです。
入居者1人1人に合わせた対応は、実はとてもむずかしいもの。それを可能にするのは「その方に合った介護」を理念とし実行しているホームだからこそですね。
「何が大事か」をしっかり考えた上で探したからこそ出会えたホーム。このように「自分や家族にとって大切なこと」を押さえることはとても重要です。
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